『現代詩手帖』10月号「詩書月評」で紹介した詩集は以下のとおりです。
和田まさ子『軸足をずらす』
(思潮社)
大木潤子『私の知らない歌』
(思潮社)
長嶋南子『家があった』
(空とぶキリン社)
小笠原鳥類『鳥類学フィールド・ノート』(七月堂)
森水陽一郎『月影という名の』
(思潮社)
青木由弥子『il』
(こんぺき出版)
北條裕子『補陀落まで』
(思潮社)
若尾儀武『枇杷の葉風土記』(書肆子午線)
どの詩集からも、それぞれの詩人独自の言語観や、言葉に対する懐疑を超えた信頼がひしひしと伝わってきます。
前作をどう超えるか、はどの詩人にとっても課題だと思うのですが、こんなふうに、いくつもの果敢な挑戦の実現を見ることができると、詩は面白いな、まだまだ可能性に満ちているなと思え、元気が湧いてきます。
この「詩書月評」も残りあと2回。
毎月、限られた時間のなかで、どう読み、どう向き合い、どう言葉にするか。
そこに課題はたくさんありますが、何よりも、詩集一冊一冊に、いま、出会えたことに感謝しつつ…。