『現代詩手帖』3月号の「詩書月評」 で取り上げた詩書は以下の通りです。
山内功一郎『沈黙と沈黙のあいだ ジェス、パーマー、ペトリンの世界へ』(思潮社)
浦歌無子『夜ノ果ててのひらにのせ』(弦書房)
福田拓也『倭人伝断片』(思潮社)
川上明日夫『白骨草』(編集工房ノア)
紺野とも『レトロスペクティブ』(私家)
宮尾節子『せっちゃんの家』(私家)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山内功一郎さんの御著書『沈黙と沈黙のあいだ ジェス、パーマー、ペトリンの世界へ』は、さまざまな都市を舞台に、敬愛する詩人や画家たちとの対話を試みた、いわば詩的「トラベローグ」。
著者の芸術家たちに対する尊敬と愛や、貴重な対話の時間を通して創造の可能性を見出そうとする前向きな意思がどの章からも感じられて、読んでいる間ずっと、わくわくしていました。
読みやすい文章で、核心を伝える。
それは一見奇をてらわないことだけれど、そうした明晰で爽やかな仕事は、実は誰もができることではない。
そう実感させてくれる良書です。
ぜひ多くのかたに読んでいただきたい一冊。
ほかの詩集も、詩で表すことの意味を言葉自体が問うような刺激的なものばかりです。