2018年12月22日土曜日

詩誌『森羅』

『森羅』は、池井昌樹さんと粕谷栄市さんが作られている同人誌。この最新号(14号)にゲストとして詩を寄せました。


池井さんも粕谷さんも、自分が本格的に詩を書こうとしたときにはすでに著名な詩人であり、それぞれに独自の詩法で素晴らしい作品を次々に書き続けていらっしゃる方なので、今回ご一緒するのは、ほんとうに緊張しました。


私は、詩を二篇書きましたが、
生と死の深淵に触れる幻想的な情景が独特の語りによって生々しく現れる、比類ない散文詩の書き手である粕谷さんへのリスペクトをこめて、一篇は散文詩に。
そして、もう一篇は、日本語の響きや韻律の特長を生かしながら、誰にでもわかる言葉で深い情感をもたらす行分け詩を実現されている池井さんに贈るように、行分け詩に。


一粒のルビーから焔の記憶が広がる散文詩「紅玉の」と、生まれる前の水辺の光景をなぞる行分け詩「舟のなかで」です。


『森羅』は、全ページが池井さんの手書き、製本もお手製という、これ自体がひとつの工芸品のような造りが注目を集め、「現代詩手帖」の詩誌月評や現代詩年鑑でも話題になり、新聞でも紹介されました。


ただ限定100部の非売品のため、読めるひとが限られているので、私の手元にある分を、東京の七月堂さんと、大阪の葉ね文庫さんにもお送りしました。
ご厚意により、そこで閲覧していただけます。
お近くの方はぜひ、手に取ってご覧いただけたらと思います。
お店に置いてくださる七月堂さんと葉ね文庫さんに、心より感謝いたします。










この二作を書いたことで、次の詩集のイメージが少しずつ膨らんでいます。
来年もまた好きな詩や小説を読みながら、次の詩集のために、詩を書きためてゆくつもりです。


2018年は、「現代詩手帖」で詩書月評を担当させていただいたこともあり、とても充実した一年になりました。


自分が納得できる作品を書く、という初心にかえりながら、言葉を杖にして、自分の奥に広がる世界を少しずつ開拓していきたいと思います。


このブログをお読みくださるみなさまも、温かな聖夜と、輝きに満ちた新年をお迎えください。