2020年12月29日火曜日

一年という時間を思いつつ…

今年も残り数日。

今年は未知のウイルスによって、行動や仕事が制限され、閉塞感に覆われた月も多く、どの視点を自分の現実とみなすか、で、世界がさまざまに姿を変えてゆくような一年でした。

わたし個人としては、そんななか、「空気の日記」に参加したり、行動に不安を強く感じた春に一日一篇ツイッターに記した四行詩を柱にして個人誌を制作したり。自分なりに詩の活動を続けることができました。

そして今年刊行された読み応えのある詩集の書評を書いたり、詩をめぐる論考やエッセイを記したり、建築と文芸のコラボレーション展「謳う建築」に参加させていただけたり…と、さまざまな詩の時間を経験できました。

もちろん、詩はたった一人で書くもの。

でも、作品を発表する場がなければ、せっかく書いた詩の言葉もだれにも見られないまま、で終わってしまいます。

コロナ禍で人と会うことが制限された年だからこそ、よけいに、詩の場を作る方々や、詩人と詩人を、そして詩とほかの分野をつなげてくださる方々のお仕事をありがたく感じました。

多くの場で作品を発表すること自体は、詩の質の高さの証明にはならないし、創作の第一の目的ではない、と個人的には思っています。

けれど、もうひとりの自分のような見知らぬだれかに詩を届けよう…と思うことも、詩作のきっかけのひとつになるとも感じます。

(それは多くのひとにわかってほしい、というのではなく。自分の言葉や世界を突き詰めていったときに現れるものを、自分と同じように求めている(おそらく孤独な)ひとがどこかにいるのでは…と。だから、作品がそのひとの目にふれる機会を少しでも作れたら…。そんな願いでしょうか)

今年は、「空気の日記」で、一日という時間のなかで詩を書くことを意識し、個人誌「glass」で四行詩、行分け詩、散文詩のそれぞれの性質と魅力にふれたおかげで、自分にふさわしい詩の書き方について改めて学べた年になりました。

来年も、ほんとうに自分が納得できる作品を一作でも書けたら…と思います。

拙詩をご覧いただいた方に、心からの感謝を。

ほんとうにありがとうございます。

どうぞよいお年をお迎えください。
 

この写真は、数年前の旅先で見た朝のひかり。少しでも、明るい日々になりますように。