2019年11月28日木曜日

『現代詩手帖』12月号「現代詩年鑑2020」

11月28日発売の「現代詩手帖」12月号。
特集は「現代詩年鑑2020」。
2019年に刊行された詩集について細かく、かつ広く知ることができる論考がいくつも載っています。
(昨年は一年間、「詩書月評」を担当させていただき、12月号には詩書展望を書きました。そのことを思い出しつつ、それぞれに力のこもった論考を興味深く読みました)

この号の「2019年代表詩選」に、拙作「紅玉の」も掲載されています。

今年7月に七月堂さんで詩のイベントを行った際に、7篇入りの小さな詩集(私家版の小冊子)『Sillage 夏の航跡』を作りました。
そのなかに入れた散文詩です。
「紅玉」(ルビー)は、昔から惹かれる石の一つ。
ここでは、自分が生まれる前からあるはずの、ある「紅玉」の記憶を辿るようにして書きました。

「現代詩年鑑」のアンケート「今年度の収穫」でも、この私家版の小さな作品集について何人かの方が触れてくださり、とてもありがたく、各コメントをうれしく拝読しました。

今年は、トークイベントや詩の教室など、人前でお話しする機会がたくさんありました。
保存することはできない、かけがえのない瞬間を通して、気づけたこと、学んだことも多く。

詩に興味のある方々に、直接、自分の言葉で伝えるという場も、とても貴重なものだと実感できました。
みなさんに向かって話しているうちに、私のほうがエネルギーをいただいているようで、とても楽しかったです。

来年も、いろんな文章を書きつつ、次の詩集のことも考え始めたいなと思っています。

いままでの詩集とは違った方向へと歩いてみたいな…と漠然と考えています。
本を読み、考え、想像し、書く時間自体を楽しみたいとも思っています。

詩の世界には、ほんとうにいろんな書き手がいて、さまざまな詩があります。
詩という創作の魅力は、書いている本人にも、これが詩だ、と言い切れないところだとも感じています。

私も、いまという時間や人の流れに惑わされず、心からいいと思えるものを、自分のペースで求めていけたらと思っています。
でも、こうでなくてはいけない、という頑なさや制限はもたずに、自由に。
霧の向こうから何かが見えてくる、その瞬間を待ちながら…。







※私家版の小冊子『Sillage 夏の航跡』は、通販サイトや七月堂さんの店頭でも販売しました。おかげさまで現在は完売しています。
お読みくださったみなさまへ、心より御礼を申し上げます。