2019年8月21日水曜日

高階杞一 + 松下育男『空から帽子が降ってくる』について

金堀則夫さん編集・発行の詩誌『交野が原』87号に、高階杞一さんと松下育男さんの詩集『空から帽子が降ってくる』について書きました。
転載の許可をいただきましたので、わたしのブログにも、そのページの画像を載せておきます。

この詩集に収録された作品はすべて、高階さんと松下さんお二人による「共詩」。
「共詩」とは、二人で一つのまとまった詩を最初から最後まで共同で作り上げること。いわば「合作」ともいえるでしょうか。
この「共詩」、何行ずつ書くか、のきまりはなく、たとえ連の途中であっても、自分はここまで、と一人が決めれば、もう一人はそこから(嫌でも?)続けなければならないとのこと。
つまり、本書には、相手の出方によって思いがけない方向へと導かれていった、さまざまな言葉の展開と飛躍と彷徨の記録が詰まっています。

作者たち自身も終点が予測できない言葉の旅路を追ううちに、詩を読むことと書くことの弾むような楽しさと新鮮な面白さが、じわじわと読み手の胸に広がってゆく一冊。

この本の魅力が少しでも伝われば、と思いながら、書評を書きました。
ご興味のある方はぜひ、詩集を手に取ってみてください。



※『交野が原』87号に掲載。

 © 2019 Sillage 詩の航跡を追って。All rights reserved. 文章や写真の無断転載を禁じます。