2020年11月3日火曜日

立原道造の詩についてのエッセイを寄稿しました

「四季派学会会報」2020年冬号に、「私の好きな四季派の詩」というテーマで、立原道造の詩にまつわるエッセイを寄稿しました(会員ではなくゲストとして)。

ここ2年間のバックナンバーを覗くと、朝吹亮二さん、野村喜和夫さん、中本道代さん、阿部日奈子さん、大木潤子さんなどが、それぞれのお好きな詩をめぐるエッセイや詩を寄稿されています。

今号では、松本邦吉さんが詩を書かれています。

夏と冬に開催される、四季派学会の大会にてこの会報は配布されているようです。

今回は、立原道造のソネット、「はじめてのものに」(『萱草に寄す』)から連想を広げ、彼の詩の語彙の特徴と魅力について書きました。

このエッセイを書き始める前に、道造の詩や書簡集を読み返していたのですが、建築物を設計する、造りあげる、という意識がソネット作品のなかに強く感じられたのと同時に、書簡のなかの詩を語る肉声に改めて心惹かれました。

全集の一巻分に及ぶものすごい量の手紙。そこには、書簡の相手に話しかけることを通して、詩に向かう自身を見つめる眼差しの熱さがあります。

今回のエッセイでは書簡については触れていませんが、また機会があれば読み返してみたいと思います。